タナカ新聞

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関市地域おこし協力隊 上之保地域担当の田中が上之保地域の話題を取り上げて新聞を発行しています。

お世話になった上之保へ。

私、関市地域おこし協力隊 田中 利弥 は、2月27日を以って任期を終了いたします。

最後にお世話になった上之保に対する想いを文章で綴ります。

 

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私は、今から3年前の5月9日、ここ、上之保で住み、協力隊活動が始まりました。

 

この時、これからどのようなことが始まるのだろうか、というワクワクした気持ちの反面、大半が、3年間も地域でやっていけるのだろうか、私は地域に受け入れられるのだろうか、という気持ちでした。

 

まず始めに、地域の方に顔を知ってもらうと同時に、どのような地域なのか、を知るために外に出てみえる方に声をかけて、話を聞く、という活動をしました。訪問販売と疑われたり、話すら聞いてもらえなかったりした方も見えましたが、ほとんどの方が「よー来てくれた」と私を受け入れて下さいました。

 

この活動で、不安がほとんどなくなり「この地域ならやっていける!」と自信に変わりました。

 

その後、ゆず生産に関することや、地域の宝の掘り起こしとして、コウゾ栽培など、視野を広げ、自分ができることから活動を行ってきました。その反面、視野を広げすぎて活動を一本化できなかったことに関しては反省しています。

 

 

上之保で住む中で私が感じた一番の上之保のよさは「人」です。

 

休みのときに、用事や旅行で遠出したとき、いつも思うのが「上之保に戻りたい」という気持ちです。正直、実家がある岐阜市より居心地がいいです。

 

その一番の理由は、鳥屋市地区住民が名倉地区住民を知っているほど、住民・地区同士の繋がりが濃く、お互いを思いやり、一致団結して助けあえる地域だということです。

その例が、八幡神社で行われる先谷祭りです。全地区が一丸となって、伝統のお祭りを行う姿を初めて観たときは感動しました。

 

昨年7月に起こった水害で、当日朝から近所の方が駆けつけ、復旧作業をする姿や、ご近所力で、全国から駆けつけるボランティアを現地まで誘導する姿をみて、上之保地域住民の底力を感じました。

 

こんなに素晴らしい地域ですが、一つだけ残念なことがあります。それは多くの住民が「他の地域より地味で魅力に感じていない」ということです。

 

3年間で多くの方々から、地域に対して「中途半端」や「地味」という言葉を何回も聞きました。私は上之保を地味な地域だとは全く思っていません。

 

「人」という魅力は、なににも変え難く、むしろ、上之保しかない魅力だと思っています。

 

タナカ新聞や、学習センターでの写真展は、住民の方に地域の魅力を知って欲しい、という想いでやってきました。

 

最後に上之保住民の方へお願いをさせて下さい。

 

「どうか、上之保に住んでいることにもっと誇りに思って下さい。そして、自慢し合って下さい。」

 

こんなに素晴らしい地域はありません。偉そうなことを言ったかもしれませんが、それだけ上之保は素晴らしい地域だということです。

 

本心をいうと、上之保で生まれ育ち、生活をされている皆さんが羨ましいです。

 

 

3年間活動してきました、協力隊は、今月27日で任期終了を迎えて、上之保を離れ、4月から新聞社に就職して、名古屋に住みます。

 

今まで、上之保で住み続ける、という可能性を考えてきましたが、協力隊活動で行ってきた、特技の写真を撮り、記事を書き、発信をする、ということに楽しさを感じました。この仕事を続けたい、という気持ちには勝てませんでした。

 

〇春には、あちこちで桜や花が咲く中、各地区で春祭りが行われ、住民の団結力に感動したとき、

〇初夏から初秋の朝や夕方かけて鳴く、ヒグラシの鳴き声で、朝のすがすがしさや、夕方、日中の猛暑が、ウソのように感じたとき、

〇秋、紅葉がなくガッカリしたとき、 〇冬の夜、氷点下の気温でも、つい、満天の星空に見いってしまうとき、

〇3年前の12月、一度だけ大雪が降って、あまりの美しさに感動したとき、

〇水曜日、食事に行こうとしたとき、地域内のお店が定休日でガッカリしたとき、

〇夜、暗すぎて前が見えず、自分がどこを歩いているか分からず、ドキドキしたとき、

〇真夜中にクルマ運転していて、ケモノが飛び出してこないか不安に感じたとき、

〇渋滞がなく、せかせかした気持ちがなくストレスがないとき、

〇ゆずのトゲに刺さって、2~3日、チクチクが続いたとき、 

〇朝市の超新鮮な野菜で料理したとき、

〇温泉の食堂で、水のような味がする、おいしすぎる上之保米を食べたとき、

〇歩いているとき、声をかけてもらったり、各家庭でおよばれして、おいしずぎるごはんをご馳走になったりして、人の温かさを感じたとき、

 

挙げるとキリがありませんが、こうしたことも4月から名古屋で住むと感じることができなくなるのが寂しくてたまりません。

 

 

正直、上之保以外で住む生活に不安しかありませんが、上之保で学んだこと、上之保協力隊として活動できたことの誇りを胸に頑張っていきます。

 

私にとって上之保は、気持ちをリセットできる場所であり、いつでも帰ってこられる場所でありたいと思っています。

 

上之保に来た時には、声をかけて下さい!

 

私の力不足でたくさんご迷惑をおかけしたと思いますが、私を受け入れて下さった地域の方々に感謝しています。

 

3年間大変大変お世話になりました。

 

上之保大好きです!

 

 

ありがとうございました!

 

 

関市地域おこし協力隊 上之保地域担当 田中 利弥

 

 

 

 

私が感じた想いを少しでも頭の片隅にも置いて頂けると嬉しいです。

当ブログは、この記事を以って更新を終了します。

 

ご覧いただいた皆様、取材に協力して下さった皆様など、タナカ新聞に携わって下さった全ての皆様に感謝します。

 

3年間大変お世話になりました。

 

全ての出会いと経験に感謝!

 

もうすぐこの季節がやってくる=上之保・八幡神社の先谷祭りで

もうすぐこの季節がやってくる=上之保・八幡神社の先谷祭りで